2014年12月18日木曜日

iBeacon(Bluetooth ビーコン)を使った東京駅構内ナビゲーションアプリが試験公開 - 使い勝手は?

JR東日本が、iBeacon を使った東京駅構内ナビゲーションアプリ 「東京駅構内ナビ」 の試験公開を始めたそうです。
道案内ならGoogleMapsで十分じゃないの?
などと考えた方は、駅構内やデパートなどの商業施設で試してみればすぐに分かります。GPSが届かないところではGoogleMapsはほとんど役に立たないのです。



GPS が使えない環境で強みを発揮する iBeacon


初めての場所に出かける時、例えばGoogle Mapsを使って電車の乗り継ぎを調べ、最寄りの駅に着いたらナビゲーションに従って目的地まで行く、というのが当たり前になりました。

iOS端末の場合、地図アプリはiOSの「位置情報サービス」を使って現在地を確認します。屋外の空が見える場所では、位置情報サービスはGPSにより精度の高い位置情報を提供してくれますが、駅やデパート等などでGPS電波が受信できない場合は、WiFiアクセスポイントや携帯基地局の位置情報を元にしたかなり大雑把な情報しか得られません。

GPSが使える場合でも、何層にもフロアが広がっている場合には、正確にナビゲーションすることはできません。例えば、Google Mapsでは対応済みの施設で「インドアマップ」が表示されることがありますが、今どのフロアにいるかは手動で指定する必要があります。

そこで、iBeaconの登場です。


iBeaconはBluetooth電波を発信する小さなビーコン(無線標識)で、BLE(Bluetooth Low Energy)仕様に基づく極低電力の発信器です。今回、「東京駅構内ナビ」では、GPSが使えず迷路のように入り組んだ東京駅を、構内に無数に設置(*)したiBeaconを使ってナビゲーションしようという専用アプリです。
(*追記12/19:設置個数は160個だそうです。iBeaconの電波の届く距離はせいぜい10mなので、160個では足りないでしょうね。)


使い勝手は微妙…JR東日本の公式アプリだから仕方ない?


(JR東日本HPより)

実際にインストールして見ると、使い勝手は微妙、というかかなりザンネンな状況です。ファーストインプレッションの段階でのコメントとしては、

  • 詰め込みすぎのユーザーインターフェース(わかりにくい)
  • ボタンに書かれた細かい文字(読みにくい)
  • マップの拡大縮小はボタンのみ(ピンチイン・ピンチアウトができないなんて!)
  • マップの向きのコンパス連動が90℃単位

といった感じで、最近のiOSアプリとしてはクオリティが低く、シニア層などが使いこなすのはほぼ無理だと思われます。マップの拡大・縮小や回転については、デザイン的な意図というより、手抜きとしか考えられません。

せっかくのiBeacon活躍のチャンス、アイデアは間違ってないけどアプリの実装がダメだとイタい、という例になりそうです。JRの公式アプリで使いやすい物ってなかった気がしますので、仕方ないのかもしれません。JRには、2020年のオリンピックに向けて、アプリも良いのですが、駅そのものを分かりやすく改修してもらいたいと思います。