2013年12月10日火曜日

AirDrop で 「連絡先のみ」を使うために必要な条件

iOS7 では AirDrop と呼ばれる機能が追加され(iPhone 5 以降で利用可能)、近くの iOS 端末同士で簡単にデータのやり取りができるようになりました。カメラロールの写真や動画など、以前ならメールなどネットワークを介して送信していたのが、その場で気軽にシェアできて便利です。

とりあえず AirDrop を使ってみるために必要な設定は、

  • Bluetooth をオンにする (コントロールセンターまたは[設定]-[Bluetooth]から設定)
  • コントロールセンターで AirDrop の設定を「全員」に設定する

これだけです。例えば、カメラロールの写真を一枚表示して、左下の「共有」アイコンをタップすると、近くにいる AirDrop 可能な相手が表示されます(相手の端末はスリープしているとダメです)。送信したい相手のアイコンをタップ、相手が許可すると、送信を開始します。

AirDrop では 端末に搭載された Bluetooth という無線通信を使って端末間で直接通信します。自身の AirDrop の設定が「全員」になっている場合、Bluetooth 通信可能な距離(数メートル)にある AirDrop 可能な端末(相手側の設定による)は、全て通信相手の候補になるため、街中や駅など人の多い所では、この「全員」という設定は不便ですし、セキュリティ上も好ましくありません。

そこで、「連絡先のみ」という限られた相手とだけ AirDrop を可能にするための設定が用意されています。

しかし、この「連絡先のみ」、実際に設定してみると、困ったことに今度は相手がうまく表示されないということがよく起こります。この「連絡先のみ」の設定について、アップルはあまりちゃんとした説明をしていないようです。そこで、いったいどう設定すれば良いのか、ややこしいのですが、分かる範囲で簡単に説明してみたいと思います。(間違っていたらゴメンナサイ…)



iCloud へのログオンが必須


自分も相手も iCloud を利用する設定になっていることが必要です。「連絡先」に登録されている相手とだけ通信を許可する、という方針(セキュリティポリシー)には、信頼できる身分証明が必要になります。相手が、名前、メールアドレス、その他の連絡先情報を偽装する可能性があるからです。ですから、相手が本当に「連絡先」に登録した相手であることを保証するために、iCloud のアカウント情報を利用することになっています。コンタクトを受けた側は、相手が iCloud のアカウントと関連付けて提示した発信者情報を自分の「連絡先」と照らしあわせて、一致すれば通信を許可する、という流れになります。

要するに、
「連絡先のみ」を設定している相手に対して自分を証明するために iCloud へのログオンが必要
ということになります。

発信者は、iCloud によって保証された連絡先を相手に提示するわけですが、相手は「連絡先」とどのように照らし合わせるのでしょうか。詳細は分かりませんが、基本的には、iCloud で利用している Apple ID に関連付けられたメールアドレス(主アドレス、追加のメールアドレス)や電話番号のいずれかがマッチすることが条件と思われます。これは iMessage や FaceTime などでの相手の識別方法と似ています。

アップルは、
  • みんな iCloud を使っている
  • iCloud (Apple ID)のメールアドレスはお互い「連絡先」に登録している
  • メールの登録がない場合でも電話番号は Apple ID に紐づけてある
ということを前提にしているように思われます。

そして、なぜAirDrop を「連絡先のみ」に設定した時に相手が非表示になるのか、というと、
iMessage や FaceTime を電話番号のみで使っている人が多いから
ということになるでしょうか。

先の記事に書いたように、iPhone で iMessage や FaceTime を Apple ID で使いはじめると、そこで初めて電話番号が Apple ID に紐付けされます。AirDrop では、iCloud 用の Apple ID の情報のみを頼りに照合を行うので、電話番号だけではダメ、ということだと思われます。

iOS の仕様が変わるようなことがあれば、iCloudを使わずに電話番号だけでも AirDrop する相手を選べるようになるかも知れませんが、アップルがそのような仕様を採用するとは思えないので、AirDrop を「連絡先のみ」で使うなら、
iCloud をオン、電話番号と Apple ID の紐付けをしておく、または相手にiCloud用のメールアドレスを登録してもらう
ということになるでしょうか。

(※本記事の内容は全部テスト出来ていないので、後日修正の可能性があります)